「自分の体を知ることは、未来の自分への貯金」
毎月のように付き合っている「生理」。
身近なことのはずなのに、自分の生理について改めて考えたり、生理用品を選び直したりする機会は、意外と少ないのではないでしょうか。
そして、妊娠や不妊についても、実際に自分がその立場になって初めて知ることがたくさんあります。
今回のジョコサポ勉強会では、生理用品の販売に携わり、ご自身も不妊治療を経験された那須彩さんに、生理と不妊、そしてピアサポートについてお話しいただきました。
▼那須彩先生のご紹介

那須さんは、サニタリー用品ブランド「FOLLISSI」を運営。不妊症・不育症ピアサポーター、サニタリー用品コーディネーターとして、生理用品の選び方から妊活・不妊治療、当事者の心のケアまで幅広く伝える活動をしています。
生理をきっかけに、自分のからだを知る
那須さん自身、20代のころは長く生理不順だったそうです。
生理管理アプリを使っていても周期は安定せず、「今月は来ないな」「来ないなら楽でいいか」と考えていた時期も。当時を振り返り、「自分のからだに関心がなかった」と話します。
けれど、生理は自分のからだの状態を知るための一つのサインでもあります。
周期や経血量、痛み、月経前後の体調など、「いつもの自分」を知っているからこそ、いつもと違う変化にも気づくことができます。
毎月なんとなくやり過ごすのではなく、ときどき自分の生理に目を向けてみる。それも、自分のからだを知る一つの方法なのかもしれません。
生理用品は、もっと選んでいい
今回の勉強会でたっぷり紹介されたのが、生理用品です。
ナプキンやタンポンだけでなく、布ナプキン、吸水ショーツ、シンクロフィット、月経カップ、月経ディスクなど、今はさまざまな選択肢があります。
大切なのは、どれか一つが「正解」なのではなく、自分の生活やその日の状況に合わせて選べること。
家にいる日、外出する日、昼と夜、経血量の多い日・少ない日。いくつかの生理用品を組み合わせながら、自分が快適に過ごせる方法を見つけてもいいのです。
「こんなものもあったんだ」と一つ知るだけでも、生理期間を少し快適に過ごせる選択肢が増えるかもしれません。
不妊を経験して気づいた、生理とのつながり
那須さんが本格的に自分のからだと向き合うようになったのは、30歳で妊娠を考え始めてからでした。
なかなか妊娠せず、検査を受けたことで疾患が見つかり、その後4年間にわたって不妊治療を経験。そのとき初めて、「生理と妊娠はつながっている」と実感したといいます。
不妊治療には、身体的、時間的、金銭的、そして精神的な負担があります。通院と仕事をどう両立するのか、職場にどう伝えるのか。友人には話しづらい、家族には心配をかけたくない。誰にも話せないことが、孤独につながることもあります。
「何か言わなきゃ」より、まず話を聞く
もし身近な人から、不妊治療について打ち明けられたら、励ましたい、何か役に立つことを言いたいと思うかもしれません。
でも、善意から出た言葉でも、相手にとってはつらく感じられることがあります。
那須さんが大切にしているのは、正しいことを言おうとするより、まずその人の気持ちを受け止めること。
最後まで話を聞く。比べない。急いで励まさない。答えを出そうとしすぎない。
そして、同じような経験をした人たちが気持ちを分かち合う「ピアサポート」も、選択肢の一つです。「自分だけじゃなかった」と思えることが、心を軽くしてくれることもあります。
知ることで、選択肢は増やせる
今回の勉強会を通して見えてきたのは、生理も不妊も、「知ること」が自分を助ける選択肢につながっていくということでした。
自分のいつもの状態を知ること。自分に合うものを選ぶこと。必要なときには、医療や周囲の人、ピアサポートを頼ること。
那須さんは最後に、こんな言葉を伝えてくれました。
「自分の体を知ることは、未来の自分への貯金」
今すぐ何かを変えなくてもいい。
でも、「こんな方法もある」「こんな場所もある」と知っているだけで、いつか必要になったとき、自分で選べるものが一つ増えます。
生理用品を選ぶことも、医療につながることも、誰かに話すことも。
知ることが、自分に合った選択をするための最初の一歩になるのかもしれません。
勉強会の際の動画はこちらからご覧いただけます。